ぐるりのこと。

ayatamama

2009年06月30日 01:32











あや坊がお腹にいた頃から、劇場でもDVDでも
映画を見ると八割がた眠ってしまう

劇場で睡魔に襲われ始めると、
勿体無いから寝てたまるか!!という思いで
左手を、皮膚に爪が刺さる寸前までつねる

大抵それではダメで、どんどん白目の範囲が広がりゆき
しまいには、一緒に見てる人と反対側の目だけ瞑り
どうにかしてバレずに眠れるかを考え始める始末


劇場に行けない今は、たまに夫婦でDVDを借りる

結局見れずに返してしまうこともしばしば

恋愛ものは、向こうが必ず途中で寝る
ギャングの抗争ものは、私が途中で故意に寝るか
違うことを始める

数ヶ月前か、忘れてしまったけど
「おくりびと」と迷って借りた「ぐるりのこと。」















 









何の気なしにノリで借りたので、先入観の無いまっさらな状態で
子供達が寝たあとに、ぼさーっと見始めた

話は淡々と、静かに進んでゆくが、眠くなることはなく
ぼーーっと入り込めた

出版社に勤め、何かと決まりごとを作りたがる
生真面目な性格の妻(木村多江)

頼りなくてちょっとだらしなく、言葉が足りない
法廷画家の夫(リリー・フランキー)

木村多江さんは、もともと声が特に大好きだった

リリー・フランキーの、演技していないのが演技のような、、
そこらへんにいてボソボソ喋っているおじさんのような、、
飄々とした佇まいが良かった

台詞のない場面の何気ない描写も丁寧で、いちいち細かく胸にくる

どこにでもいそうで地味だけど、生々しい人間味のある2人

あるシーンで、どうしようもなく泣けてきて
首は動かさないまま横にいる人をチラ見したら、

両目から流れた涙が、鼻先から鼻水と一緒に
一本にまとまって何センチか下に垂れ下がっていた

それから何かがはじけて、2人で嗚咽しながら泣いて、
泣き過ぎたらとんでもなく面白くなってきて、爆笑した

何もそこまで泣くこともなかったが、その日の涙のツボが
同じだったのか、涙を呼び合ったのか

見終わった後、心が開放されて涼やかな気持ちになった

お互い映画の感想を話したり、答え合わせはしなかった

普段一緒にいて、考え方も感じ方も同じわけではない

いつも共感してるわけではない

むしろ、憎たらしくてやり切れず
後頭部に向かって何度呪いの呪文を唱えたことか

朝出勤して行ったあと、玄関に塩を撒いてみたことさえある

だけど、ごくたまにでも
言葉には出来ない細かな部分で何かを感じて一緒に泣けたり

ニュースを見ながら、意見が敵対して口論になったり

お互いの言った面白かった事で笑える人間が、
一緒に住んでる相手で良かったと思った

これはのろけではなく、男女問わず人対人として良かった

この先も山あり谷あり、今まではないような困難に
直面するかもしれないし、未来はわからないけど

この日この映画を見て感じたことは、
心に残りそうな気がしたのだった

変わり
映えせず 
リニューアル